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人の心を掴みとれ! ブランドを作る5つの構成要素。2015.6.10

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ブランド、というとみなさんは何が思い当たるでしょうか。
服や食品、ホテルやサービス、様々なブランドがあります。
よく勘違いされやすいのが、そういった高級な商品ばかりを扱う企業だけが、ブランド、なんてイメージされやすいのですが、そんなことはありません。

ブランディング、なんて言葉でよく表現されたりもしますが、ブランドとは、どんな企業でも、どんな商品やサービスであっても取り入れるべき手法です。
業界やジャンルは関係ありません。どんな商品やサービス、企業であっても、ブランドは存在します。
そして、上手く使いこなすことができれば「人の心に直接アプローチ出来る強力な武器」となります。

どんな魅せ方をしていきたいのか、そして、自分たちが将来的に、どのような企業や商品、サービスとして社会に価値を与えて行きたいのか。
印象的なブランドとして人の心に触れるためには、どんなポイントを抑えればいいのか。
今日は、ブランドの作り方、抑えておくべきポイントをまとめていきます。
しっかりと筋道を立てて考え、自身のブランドとして確立させていきましょう。

先日、WWDCというイベントをAppleが行ったのですが、ご覧になられた方はいらっしゃいますか?
Appleは新製品および新商品を発表するときに、大掛かりなイベントを行います。
そして、報道陣や開発者、企業、一般の方向けに巨大な会場を用意して、まるでコンサートのようにプレゼンテーションをおこないます。
日本の一般的なプレゼンテーションに慣れていると「コンサートのよう」という表現がピンと来ないかもしれません。
もしご覧になられていない方がいらっしゃいましたら、こちらを見てみてください。

Apple – Live – June 2015 Special Event
http://apple.co/1cwHDNv

人々はこのイベントを心待ちにしています。
世界が変わる瞬間を見られるかもしれないからです。
Appleが商品を発表して、その次の日から一気に世界の様相が変わった経験は過去に何度もあります。
「世界を変えるために商品を作る」というAppleの志、スティーブ・ジョブズの生み出した数々のストーリー、歴史、商品、全ての重みが重なって、Appleというブランドを作り上げている。
だからこそ、人々はAppleを好きになり、記憶に残り、毎回のプレゼンテーションでを心待ちにしているのです。
これこそ、Appleというブランドがなせる業です。

もし、自分たちの作り出す商品やサービスが、Appleのように誰かに心待ちにされているとしたら。
ものすごくやりがいのあることだと思いませんか?
でもそれは、世界一の企業価値を誇るAppleだから出来ることだと思う方もいらっしゃるかもしれません。
確かにそうです。
しかし、どんなブランドも最初は無名だったのです。
そこから、いかにブランドが作り上げられたのか。
他の企業もたくさん、ブランドを持っています。
どうして有名ブランドと言われる彼らは、そこまで人々に認知されるに至ったのでしょうか。

今回はブランドの構成要素について、じっくりと、解剖していきましょう。

1. 人々の印象に残るブランドは「物語性」を持っている

まず、ブランドにはストーリー性があります。
どんなブランドも物語を持っています。
有名になったから物語が引き出されたのではなく、物語があるような結果を残してきたからこそ、有名になっていった、と考えるべきでしょう。
ブランドの歴史、という中には創業者の行動や生き様がやはり大きく影響してきます。

とは言っても、全ての創業者がそんなドラマチックな生き方はできないよ、そう考える方もいらっしゃるかもしれません。
まさにその通りだとも思います。
ただ、生き方はともかく、ビジネスに対する想いや成し遂げたい気持ちがあれば、その気持ちから生まれた全ての行動が物語となり得ます。

人々から愛され、一般企業よりも明らかにたくさんの愛情を受けて育つブランドは、どのようなブランドでしょう。
すべての有名なブランドは、なぜそれをやるのか、という理由からすべてがはじまります。

なぜ、その事業をするのか。
なぜ起業するのか。
その先に何があるのか。

商品やお金以前に、芯のある動機が人の心を動かします。

企業活動をなぜ行うのか。
ブランドの活動を通して、何を実現させたいのか。

「お金を稼ぎたいから」という動機に一般消費者は付いてきません。

スティーブ・ジョブズは「世界を変える」という動機の元に動いたから、その行動が物語を紡いでいきました。
もし彼が「お金を稼ぎたい」と言って、仲間を口説き落としたのであれば、それは決してストーリーになることはなかったでしょう。
人の心に訴えかけるような動機を、ブランドにこめなければならないのです。

動機から生まれた活動が、たくさんの物語を紡いでいきます。
人との出会い、想い、話したこと、全てがストーリーとなりうるのです。
「なぜ」その活動をするのか、という想いがあれば、結果に至るまでの行動が全て物語となり得るのです。
物語を生み出すのは奇跡でもなんでもなく、ビジョンがあるか、です。
明確なビジョンやメッセージ、想い、動機、それらを持って仕事をすること。
それで全てが物語になります。

単純そうですが、難しいことですね。

2. 理念、ビジョンを持っていること

すでにある程度、書いてしまいましたが。
先ほども書いた通り、理念やビジョンが必要になってきます。
理念やビジョンは、物語を作り出す他にも、大きな役割を担っています。

それはなにか。
「人を動かすこと」です。

有名ブランドには、企業や創業者のあり方に心を打たれた人々が、手を貸したり、商品を購入したり、能動的にアクションを起こしていきます。

例えば「この商品を売って商売を成功させよう」よりも「世界を変えよう。
だからこの商品を売ろう」の方が、優秀でしかも人望のある人間が「面白そうだ」と思い、手を差し伸べてきます。
前者に集まってくる人もいるでしょうが、おそらく、一緒にやっても楽しくなかったり、そもそも仕事があまりできなかったり、トラブルの時に逃げ出したり、責任転嫁したり、という人が大多数でしょう。

ところが後者は、自分でお金は稼げるし、金銭的に興味はあまり興味はないけれど、なんだか面白そうだから一緒にやろう、そう声をかけてくれる人が多いはずです。優秀でありながら、何か面白いことを求めて金銭の次のステップへ行こうとしている人たちです。そういった人々は確かに存在します。彼らは基本的にとても仕事が出来るので、お金に興味が薄いだけであって、しっかりとその重要性は分かっていますし、しかも責任感があるような人です。

しっかりとした理念やビジョンは人を動かします。そして、仲間同様に消費者の心もつかみとります。特に今の時代はその傾向が強いです。現在の市場は既に飽和状態です。どんな商品を作っても、すでに類似の商品があり、少しでも差別化をしようと考えて手を加えますが、微々たる差別化ではまったくもって消費者の心に響きません。専門家が見ると変わったと思っても、消費者から見て変わったと思えないくらいの変化だと、もはや心に響くことはないのです。結果、似たり寄ったりの製品が、市場にあふれていきます。

ここで差別化として働くのも「理念やビジョン」です。例え商品が類似している内容だとしても、その商品を作るまでの思いや考え方があれば、その考え方に「共感」した人々が、熱烈なファンとなり、何度も購入してくれるのです。

例えば、街を歩いている時に、なんとなく聞いたことのあるメロディーの曲が流れてきたとします。街角で聞いても、ふーんと思うような曲です。ですが、そのアーティストが「色々な苦楽を共にしてきた友人がいて、その友人が結婚した」時に思いをこめて作った曲だとしたらどうでしょう。街角で聞いて通り過ぎるような曲でも、その物語を知っていれば、ちょっと特別な曲なんだと感じるのではないでしょうか。

理念やビジョンも一緒です。例えば商品そのものに他とあまり差がなかったとしても、際立って印象的な理念やビジョンがあれば、その考え方に人がついてきます。商品が溢れ、差別化がなかなか難解になってきた今、その考え方そのものに「共感」することで、ついてくるファンは少なくないのです。そして、考え方について来てくれたファンは、簡単には離れることはありません。人を動かし、ファンを作り、差別化をする。それが、しっかりと理念、そしてビジョンを持つ効果です。

 

3. 世界観を持っている

 

抽象的な言葉になりますが、世界観とは何を意味するのでしょうか。その秘密は顧客となる消費者、そして創業者やボードメンバーのセンスにあります。まず消費者についてですが、彼ら、そして彼女たちの心の奥底には「こんなシチュエーションで、こんな道具を使いたい」「こんなイメージの部屋に、こういう家具を置きたい」など、無意識の中に好みのイメージを持っています。ブランドが獲得したい層を、最初の段階で決めるはずなのですが、その獲得したい層は一体どのようなイメージを該当の商品について感じているのかを知る必要があります。

例えばネクタイを例にご説明しましょう。ものすごく優秀なビジネスマンがいたとします。彼はバリバリ仕事の出来る自分にちょっとした優越感と、仕事の出来るスマートな人間でありたい、という願望を持っていたとします。そこに、ネクタイのブランドが「仕事の出来るスマートな男性がつけるブランド」ということでネクタイを発売したとします。すると、彼は興味をひかれるわけです。自分自身がそう有りたい、と願う願望をかなえてくれる、最も自分の理想に近いブランドであると、次購入する際の検討材料に入ってくるわけです。

他にも、例えば「お伽話の世界のような可愛らしいお姫様」でありたいと願う女性がいたとします。そこに、お伽話をテーマにしたファッションブランドを立ちあげ、ターゲットのイメージに世界観が合致すれば、検討対象に入るのです。人にはそれぞれイメージがあって、デザイン、言葉、哲学などをフル活用し、そこに合致するような印象をブランドに持たせることができれば、世界観が構築されます。

そして、ターゲットの趣向と同様に大切なのが、創業者やボードメンバーのセンスです。ボードメンバーの中にもこうありたい、こういう世界観でありたい、と考える人がいるでしょう。大抵の場合、消費者目線でなく経営者サイドの「こうありたい」で事業を進めていくと、失敗するケースが多くあります。しかしブランドの場合は経営者のこうありたい、こういう生き方をする人間でありたい、といった言わば哲学や考え方そのものに絶対的なファンがつくケースもあります。こんな人になりたいという憧れを持つ人は少なくないはずです。そこに、ブランドの創業者やボードメンバーの考え方が合致すれば、ファンは後からついてきます。

消費者の趣向を徹底的に調査して、その結果にあわせて世界観を形作っていくのもあり。自分の生き方やこうありたい、こうあって欲しいという願いを込めてブランドを作り、その世界観に共感、合致した消費者や仲間が集まってくる。そのどちらも使い分けたらいいと思います。無難なのは前者ですが、宗教にも近い爆発的かつ深い繋がりを持てるのは、後者であると考えています。どのようなイメージで行きたいか、貫きたいのか、ぜひ考えてみてください。

 

4. シンボルを持つこと

 

理念やビジョン、導き出した世界観をベースとして、ロゴやサービス名、社名など、ビジュアル的にも脳裏に刻みやすい象徴を考えましょう。ビジュアル・アイデンティティという言葉があります。理念やビジョンを形として目から記憶に残しやすくデザインされたものです。大きく分けると、ロゴマークやロゴタイプ、そしてこの企業、ブランドはこのデザインだよね、というデザイン体系などがあります。例えば服やバッグブランドでも、ロゴ、そしてこのブランドのデザインは、このような形になっている、この色が使われている、など魅せ方に「ある一定の規則」があるのはイメージ出来るかと思います。このブランドはこうだ!というデザインを決めましょう。

言葉やコピーだけでも、心に響くものであれば、確かに心に残ります。しかし、見た目からの印象というものも、ブランドにおいては非常に大切な要素です。でも具体的にどうすればいいの? ということですが、まずは理念、そしてビジョンを元に、ロゴマークを作ってみましょう。自分が実現したいことを表現したロゴマークを制作すること。それが、これから長い歴史をたどるブランドにとって、ひとつのシンボルとなります。ルイヴィトンを想像すれば、すぐロゴの形が出てくると思います。逆にルイヴィトンのロゴを見ればすぐにその名前が頭に浮かんでくるでしょう。ロゴがあることで、人々の日常生活に形で溶けこむことができます。

次に、ロゴタイプを作ってみましょう。ロゴタイプとは聞きなれないかもしれませんが、ロゴマークの隣によくある、自社を表す「文字」のことです。ロゴマークはあくまでも「マーク」であり、ロゴタイプは「タイプ」、つまり文字です。先ほど例にあげたルイヴィトンも、マークとタイプ、それぞれ決まっていますよね。両方のイメージを決めておけば、状況によって使い分けたりもできます。そして、最後にデザイン。自社の「メインカラー」と「サブカラー」を決めましょう。これも、理念やヴィジョンを表現する色がいいです。また、何かをデザインする際には、これを使って欲しいという「模様」や「テキスタイル」も決めてもよいでしょう。

とにかく、自分たちのブランドはこれだ!というデザインのルールを最初から決め、今後何かをデザインする上で、すべてそのルールに沿って作ってみてください。やがて全てのデザインに統一感が生まれ、その統一感こそが、ブランド全体をイメージさせるビジュアル・アイデンティティとなります。ロゴマークやロゴタイプ、デザインをあなどってはいけません。人の脳裏にブランドのイメージ、会社を視界から記憶させる最良の方法です。そのデザインが格好いい、可愛い、格好わるいで全て、ブランドの印象が決まってしまいます。ロゴだから、と言って予算を出し渋ったり、文字にお金をかけるの? デザインにはそこまでお金をかけるものではない、なんて見くびっていると、後で後悔してしまいます。何しろ一度、人の印象に根付いたブランドイメージは、なかなか変えられません。最初からしっかり決めて視界からイメージを記憶させることができていれば、もっとスムーズに人々に浸透していたのに。後からそう思っても後の祭りです。

 

5. 一貫性を持たせること

 

先ほどのシンボルにも通じることなのですが、全てにおいて一貫性を持たせることが大切です。最初に決めたビジョンや理念に関しては特にブレていくことは無いようにしましょう。ただし、その時々のプロジェクトに関しては、特にこれをやる!という指針はあまり持つ必要はありません。ここでも再度、登場するAppleです。ブランドの話になると、やはりAppleが登場せずにはいられません。彼らは「世界を変える」というビジョンを持っています。実際に発表するサービスは、コンピューターを作ったり、音楽サービスを仕掛けたり、決済サービスをしたり、携帯電話を作ったりと、実に多様です。しかし、広く受け入れられています。なぜでしょうか。

彼らは特にコンピューターを作る会社、ということが理念に組み込まれているのではなく「世界を変える」ことが根幹なのです。だから、世界を変えられるサービス、発明は、ジャンル関係なくどんどん発表し、社会に還元していきます。つまり、発表しているものはバラバラであったとしても「世界を変える」という理念において一貫性があるのです。最近の大企業はこういった傾向があります。

例えばLINE。最初はコミュニケーションアプリでしかなかったのに、いつの間にか、決済サービスや音楽サービス、ゲーム、スタンプなど、多様な形態からサービスを提供しています。LINEは「知っている人同士のコミュニケーションをホットにする」という理念を持っています。つまり、知っている人同士のコミュニケーションをホットにするという理念が一貫性として存在すれば、どんなサービスを展開しても一貫性があるのです。つまり、ブランドにおける一貫性とは、理念やビジョン、根本の信念を崩さないことです。その信念を実現するためには、あらゆる業務形態を発信しても、ブランドとしての一貫性は保たれるのです。

ただし、デザインとしての一貫性は、変更してはいけません。デザインの「印象」は積み重ねとも言えます。見た目で「このデザインや色合い、模様はこのブランドのものだ」と認識されるまでには、案外時間がかかるものなのです。せっかく長い時間をかけて認知を広めてきても、すぐにデザインの方向性を変えてしまっては、また最初からやり直しになってしまいます。デザインや魅せ方に関しては、常にある一定を保つようにしましょう。だからこそ、一番最初に多少予算がかかったとしてもしっかりと決める必要があります。

 

6. まとめ

 

ブランドは現代の企業でしっかり決めているところは少ないかと思います。むしろ最初、理念や信念を持たずに会社だけ立ちあげ、さて何をやろうか、なんて考える経営者も少なくありません。むしろ、そこから決めてくれと外部に相談を持ちかける方もいるかと思います。それでも悪くは無いと思うのですが、売上アップや集客に苦労されるのではないでしょうか。というのも、ブランドは人を惹きつける重要な要素であり、その有りかたを見て好きになってくれる人がたくさんいるわけです。ところが、それが無いということはその分何かを提供しなければならないのです。そして経営の行き先や方針を打ち出すものでもあります。決めておかなければおかなかっただけ、後の運営に苦労するのではないでしょうか。

起業家になりたい、という人はたくさんいます。しかし、その大部分が「理念や信念は?」と尋ねると、何も出てきません。これがどういうことかと言うと「売上を上げづらい」ということです。ひとまず面白いことやりたい、で始めると、逆にやりづらいのです。本当に「面白い」と社会が思うようなビジネスを連発できれば、それもありかもしれません。ただ、面白いこととはつまりどういう方向性なのか、ということくらいは理念に含めてしかるべきです。Appleの「世界を変える」も、面白いという中でも「世界を変えられる」ことをする、結果的に面白くなる、という方向性があります。だから、何かやりたいという思いだとしても、つまりそれが何なのかを軸にしておかなければ、後々困るのは自分です。

マーケティングにおいて、まず売上をあげたいと相談された、もしくはご自身でそう思うのであれば、まずはファンのつくような考え方や理念を構築し、自分たちのブランドはこうであるといった魅力を押し出していくこと。だからこそ、たくさんの人に愛されるような構図を作っていくことが大切なのではないでしょうか。もし何もなければ、最悪、思いつきでも良いので面白いと思う方向性を、理念やヴィジョンに掲げてみてください。言葉に発しているうちに、想いが宿ってくることもあります。人に愛されるブランドを作り、魅力的な企業を育てていきましょう。それがきっと、結果にも結びつきます。

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帰国後は起業家育成プログラムを立ち上げ、起業家育成に従事するほか、中小企業様のマーケティング戦略策定、ウェブ開発技術を個人で提供。
現在はアメリカの投資家と組み、日本において、ベンチャー起業の投資および、取締役としてメンバーに参加する形での、企業支援・起業家育成活動に取り組む。

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つぶやきは大体ITや起業・マーケティング関係ですが。笑
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