前回は、集客を自動化することについてお話させて頂きました。これで、メディアやコンテンツを使って、集客を進めていく基本的な考え方はご理解いただけたかなと思います。
ここまで来たら、次はコミュニティです。
通常、集客を行うためにはメディアを立ち上げるのが有力とされています。
特に、検索エンジンからのユーザーの流入は、かなり大きなインパクトを持っています。ソーシャルネットワークをベースとした情報収集を行うユーザーが多くなりましたが、ソーシャルメディアでの盛り上がりは一瞬です。
1日か2日、大きく一気に、極端にアクセスを集めるのがソーシャルネットワーク。ところが検索エンジン経由のアクセスは永続的です。放っておいても、数千というユーザーを連れてきてくれます。
ソーシャルネットワークの盛り上がりと検索エンジン経由の永続的なアクセス。この2つを使いこなすことによって、徐々にメディアは盛り上がってくわけです。
では、メディアを盛り上げたら、次は何をすれば良いでしょうか?
どんどん記事も書いた。コンテンツも作った。商品も作った。では、いよいよ収益化という段階なのですが、その前に1つだけ、作っておいて欲しいものがあります。
それが、コミュニティです。
人と人を結びつけ、コミュニケーションを作り出し、直接的な盛り上がりを引き起こすことのできる空間。それが、メディアだけでは作ることのできないコミュニティの役割です。
コミュニティとメディアはめちゃくちゃ相性がいい。
メディアは育てれば、ごっそりユーザーを連れてきてくれます。
ただ、まだメディアです。人は情報を取りに来ているに過ぎません。
次は、メディアという枠を越えて「好き」になってもらう必要があります。
人間的に、企業的に、生の体温と鼓動、そして言葉や文化を好きになってもらう必要があります。
生き物として好きになってもらえれば、一気にユーザーとの距離が短縮され、より心に訴えられる環境を作ることができます。
言ってみれば、情報だけのメディアに大して、命を吹き込むようなものです。
この生命を吹き込むという行為こそが、コミュニティなのです。
まずはサークルでも何かしらの活動、単純な飲み会でも構わないので、グループを立ち上げましょう。
そして、メディアを読んでもらえているユーザー同士が交流できる場を用意しましょう。
また、ユーザーを集めただではダメです。
飲み会、ランチ、お茶会、朝活、パーティー、旅行。様々な活動をリアルにはじめて、運営側もユーザーとコミュニケーションをとっていきましょう。
こうすることで、実際に運営している中の人の考えや気持ち、人柄が伝わり、より一層愛着をもってくれる人が増えます。熱烈なファンになってくれるのです。
メディアが発信する場所だとしたら、コミュニティはメディアに体温を吹き込みます。また、逆にメディアはコミュニティに参加者を実際に連れてきてくれるプラットフォームになります。
コミュニティとメディア、この2つを使いこなすことによって、本当の意味でファンに愛されるプラットフォームが形成されていくのです。
写真、動画を使いこなしてコンテンツをつくりまくれ。
でも、実際どうやってコミュニティでメディアに体温を与えるの? 疑問に思う方もいらっしゃると思います。
確かに、コミュニティを作ってわいわいやっているだけだと、そこまで多くの人に体温を届けることはできません。
そこで、必ず手に入れておかなければならないのが「写真」「動画」などの文章以外のコンテンツ、そしてレポートです。この実際に現場と人が見えるコンテンツが重要なのです。
人は、楽しそうな場所に大して興味を懐き、ワクワクし、盛り上がっている現象につられて一歩を踏み出すのです。
みなさんは、何かイベントに参加するとき、何かに関わる時「人の顔が見えていることと、見えていないこと」どちらが参加しようと思いますか?
たとえば「盛り上がっていて楽しそうな場所と、何が中で行われているかわからない閑散とした場所」どちらに愛着を懐きますか?
大抵の場合、人は誰かの顔が見えていて、声がきけて、楽しそうな場所に興味を抱くのです。写真や動画、音声を使って、この場所は楽しいところなんだ、これが僕達なんだ、という熱量を思う存分発信していきましょう。
実際に読む以外に見て、聴くことによって、人はそのワクワク感をより受け取りやすくなります。直接会うことがなくても、より楽しそうだと判断することができます。
結果的に、文章だけで伝えていたときよりも「メディアの中とユーザー」の距離感が縮まるので、メディアを記憶し、名前を覚えてもらうことができます。
コミュニティから作り出されるコンテンツは勢いを演出する。
人は盛り上がっている雰囲気が好きです。
もちろん趣向によりますが、コミュニティやイベントに参加するような人々に関して言えば、なるべく盛り上がっている感のある方に流れます。
同時に、コミュニティに人が集まり、楽しそうでいるだけで「ここには勢いがある」と注目してもらえるのです。
勢いがある、と感じさせることそのものが凄まじい効果を発揮するわけです。
勢いがあるところに、人々は協力し、愛情を注いでくれるばかりか、力を貸してくれたりします。
結果、予期せず、大企業から声をかけられたり、思いもよらないチャンスに巡り会えたりします。
勢いを演出することは、ただユーザーに記憶されるだけではありません。実際の活動で魅せることによって、チャンスをも集めてしまうわけです。
「この活動は盛り上がっている」というだけで、誰かが勝手に宣伝してくれたり、拡散してくれたり、思いもよらない仕事のチャンスを提供してくれたりするのです。
盛り上がりを作り出すことは、コミュニティとメディアを連動させるための根幹になるのです。
メディアに大量にアクセスを集めたら、今度はコミュニティを形作り、写真や動画、実際の現場において、徹底的に盛り上げていくこと。
コミュニティとメディアの相乗効果で、飛躍的に活動の規模を拡大することが可能になるのです。
まとめ
コンテンツは王様。コミュニティは女王様。
この2つの仕組みをフル活用し、お互いのメリットを共有しあうことで、より効果的に集客を進めていくことができます。
もし、人が嫌いであったり、なんとしても人と関わらず、インターネットだけで活動していきたいというのであれば、使う必要ないかもしれません。
それでも集客はできますし、収益化もできます。
ただ、実際のビジネスとして成立させていくのであれば、コミュニティをつくり、盛り上げることで、成長速度は遥かにスピードアップします。
イベントそのものでも収益化が狙えるくらいです。
ただ、1つ、ここでお伝えしておかなければならない大切なことがあります。
少し「稼ごうとすること」は待ってください。
最初は徹底的に、自分の持っているものを包み隠さず提供し、たくさんのファンを作る方が先決です。無理なタイミングで収益化を狙おうとすると、ファンは一気に離れていってしまいます。
収益化にもっとも大切なのは、ファンの人が自分自身のメディアに対して「お金を払ってでも手に入れたいものがある」と感じてくれたタイミングです。
そして、的確に「お金を払ってでも手に入れたいものがある」と感じてくれた商品やサービスを、準備できているときです。
その時まで、早まることをせず、とにかく場を楽しませ、盛り上げ、そして人生にとってプラスになることを、惜しみなく提供していきましょう。
だから、ここまで来てもまだ収益化を急ぐことを待ってください。
ちゃんとコンテンツとコミュニティを作っていけば、収益化のタイミングは必ず来ます。